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お絵描きや育児のことなど、自己満足ブログです

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 今日はトキタを色々いじりたかったけど、私の今日の受け持ち患者さんの中にとても厄介な重症患者がいたから、あまり関われなかった。
 トキタは一昨日とあまり変化が無かった。
 相変わらず点滴を自分で抜きやがっているし、会話があまり成り立たないし。
 
 午前中のうちに、主治医から風呂にいれてOKと言われていたので、はりきっていたのだけど、トキタ自身が熱を出したため、断念した。
 忙しかったけど、それでも時間を見つけてひげだけは剃ってやった。

 私はお近づきになったしるしに、私の名前を覚えてもらおうと思った。
 なので、朝から何度も私の名前を言って聞かせた。
 言った直後は「○○さんか!」と私の名前を言ってくれるのだけど、1分もしないうちに忘れてしまう。
 「トキタさん、私の名前は?」「担当の看護師さんは?」と聞くと
 「サトウ・・・」「イブキ・・・」「ミヤモト・・・」
 好き勝手な名前を口にする。
 そのうちに「ああ、父ちゃんが亡くなったんだってな。」と意味不明なことを言う。
 勝手に人の親を殺すんじゃねー・・・。

 全くお話にならない。

 今日からトキタには食事が出された。
 トキタはちゃんと箸を使って、自力で全部食べた。
 人間としての本能は失われていないようだ。

 トキタは怒らない。
 暴れたりしないし、私達に文句のひとつも言わない、何回点滴を刺しなおされても、ベッド上に縛り付けられていても嫌な顔ひとつしない。
 ただわけが分からずアクティブに動き出そうとしてしまう、汚いこまったちゃん。
 私はそんなトキタを可愛いと思っている。
 周りのスタッフにそう言うと「ええ!?」と言われてしまうんだけどさ。

 今度の日勤までには熱が下がっているといいな。
 とにかく早く風呂につっこんでやりたいのである。

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 トキタ、それは私が今担当している患者である。
 重症型アルコール性肝炎・意識消失で入院してきた50代後半のオヤジ。
 要するにアル中。
 
 ヤツは12月30日の夜入院してきて、私との初顔合わせは翌31日の日勤でだった。
 出勤した私は新しく担当になっていたその患者をカルテで情報収集後、申し送りを受け、病室へ行った。
 病室へ入り、ヤツを一目見て私はこおりついた。

 続くのであるが、お食事中の方はご遠慮なさった方が良いと思われます。


 
 夜勤明けです。
 年末年始は、一般に入院患者は少ない。
 うちの病棟も例外ではなく、何事も無ければ楽な勤務なはずだった。
 そう、その「何か」が起きてしまったのよ。

 準夜から深夜に引き継がれるまでは、穏やかに過ぎていた。
 2時になり、寝たきり患者のおむつ交換に回り、その後巡視をする。
 巡視中、他チームの後輩が慌てて私のところに来た。
 「○○さん、冷たいんです!」
 ええ!?
 慌ててもう一人の看護師とその患者さんのところへ行く。
 すでに息はしておらず、瞳孔も散大している。
 モニターをつけると心拍はフラット(心拍数ゼロってことね)。
 青ざめる暇も無く、救急カートを運び、空いている個室にその患者のベッドを移し、心肺蘇生を開始する。
 老人ではなく、数時間前までは自分の足で歩き、外泊を目前にした患者だった。
 信じられない気持ちを抱えながらとにかく動く3人の深夜勤看護師。
 私がドクターコールをし、家族に連絡する。
 家族にはすぐに連絡がついた。
 しかし、運悪く昨夜からその患者の主治医は休暇中で長野にはおらず、代行担当医の自宅は病院から車で1時間近くかかるところにある。
 しかも雪が降り、路面は凍結している。
 とりあえず蘇生を優先させなければ、と思いその夜の当直医に連絡し、その後担当医にTELをした。
 当直医はその患者の病名も知らないほど、うちの病棟とは関わりの無い医師だったのだが、とりあえず分からないなりに私達に指示を出した。
 心臓マッサージをしても、気道を確保し酸素を送り込んでも、薬剤を投与しても、その患者は息を吹き返さない。
 心臓マッサージの途中、その患者の肋骨が折れた。
 もうだめだ・・・、そう分かっていても、担当医が到着するまで私達は交代で心臓マッサージを続ける。
 まもなくして家族が到着する。
 心肺停止状態のその姿を見て愕然とする家族。
 「何で!?急に・・・こんなことってあるんですか!?もうすぐ外泊もできるって先生に言われたんですよ!?」
 その状況を受け入れられず、医療者の私達に噛み付く家族。
 無理も無いが、やりきれない私たち。
 
 数十分後担当医到着、その医師の指示で蘇生を終了する。
 担当医が分かる範囲での現状を家族に説明した後、死亡確認が行われた。

 死後の処置をほどこし、朝方になりその患者は死亡退院された。
 ぐったりした私たちスタッフ。

 でも、そこで終わりじゃなかったんだな。
 その患者の死には、ちょっとしたいわくがあるかもしれなかった。
 



 朝、出勤してまもなく一本の電話を受けた。
 それは、以前ここの病棟に入院していた患者さんのケアマネージャーからで、今朝、その患者さんが在宅で亡くなった、というものだった。
 昨夜、吐血だか下血だかで多量出血したため、夜のうちにこちらの病棟には連絡がきていたということだ。

 その方はまだ50代、子宮ガンだった。
 治療をする途中で、骨に転移していることが分かり、もう治療のしようがないと告知され、余生を在宅ですごすために頑張っていた人だ。
 私が担当だったから、よく覚えている。

 骨が侵されてしまったため、腰椎が圧迫骨折をし、歩行器を押しながら、それでも自分のことは全て自分でする人だった
 ちょっと私がまいってた時に、「看護婦さんがそんなことでどうするの!」って叱ってくれた人だった。
 私が知る中で、一番「今」を精一杯生きていた人だったと思う。

 その人は最期を自宅でむかえたいと考えていた。
 だから在宅で生活する準備ができるまで、病院でADL(日常生活動作)を保とうと、ガンによる痛みを麻薬でコントロールしながら頑張って動いていた。

 そのケアマネージャーさんから、自宅で亡くなったと聞いて、私はほっとした。
 「昨日のうちに病院に連れてこれば良かったのに」なんて言う人もいたけど、私は連れてこられなくて良かったと思っている。
 よっぽど苦しんでいたなら別だけど、そうじゃなかったら、もし病院に連れてこられたって輸血とか点滴とか酸素とかして、少しばかり延命させられるだけだもん。

 ・・・Yさん、大好きな家庭で、家族に囲まれながら最期をむかえられて良かったね。



 お仕事のお話なんだけど、「うげっ」って思われた方ごめんなさいm(_ _)m
 
 患者さんが寿命を迎えた後、私たち看護師が亡くなった方の身なりを整えます。
 それを死後の処置、またはエンゼルケア、と呼びます。

 昨夜、私の勤務中に一人の女性が亡くなりました。
 当然、その方の死後の処置は担当看護師であった私が行います。

 酸素マスクや点滴、モニター等、医療処置に使われた物を全て排除し、体をきれいに拭き、家族が用意した着物を着せて、お帰りになる準備を整えます。
 その過程の中に「エンゼルメイク」と呼ばれるものがあります。
 亡くなった方へ、メイクを施すのです。

 病気によっては、死後のお顔がとても見られないほどひどく変色したり、痩せこけてしまったりします。
 なので、化粧品を用い、それらをカバーしようとするのです。
 最近はそれを専門に研究し、より良いものにしようとする人が現れ、一般に普及させようとする動きがあります。
 死後の処置用に開発された化粧品も、販売されるようになりました。

 それが一般の化粧品とどう違うのか。
 言い出したら色々あるのですが、それは専門的な話になるので省略します。

 エンゼルメイク、それは患者さんの「最期のお別れの顔」を演出する作業です。

 しかしそれを一口に言うのは簡単ですが、なかなか難しいのです。
 なにせ相手は血流の完全になくなった死者。
 病気を患い、年齢を重ねたその肌はボロボロです。
 それを生前のように近づけるのはほとんど無理。

 昨夜亡くなった方の肌も一部紫に変色するなど、カバーするのが大変でした。
 ファンデーションを重ねれば重ねるほど、いかにも「厚塗り」な不自然なものになってしまったりするし・・・。

 前にも言いましたが、それが患者さんの「最期のお別れの顔」になるのです。
 それを見たご家族や親族が「安らかな眠り顔」だと感じていただけるようにしたいのさ。
 今はまだ全然知識もなくて、テクニックもないけどさ、昨夜患者さんに死後のメイクしながら「上手くなるてぇ!」って思ったんだ。

 ほっとんど自己満足なもんなんだけどさ、ちと勉強して、経験重ねて、上手くなりたいなあ・・・。