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お絵描きや育児のことなど、自己満足ブログです

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 長男:カズナ(2010.12.13生まれ)
 うさぎ:ゴロ(2009.6.4生まれ)
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 陣痛はその強さをどんどん増している。
 それでもまだ自分でトイレに行けたし、ご飯も食べることができた。
 痛みの波のピーク時にDさんに背中をさすってもらうだけですんでいた(5分おきだけど)。

 お昼過ぎ、カイロを背中に貼ると陣痛が和らぐ、と本で読んだことがあるので、かばんの中に入れておいたカイロを背中に貼ってみる。

 しかし、私にとって、これがいけなかった(いや、お産全体からみれば良かったのか?)。

 この頃から、陣痛が激痛に変わったのだ。

 痛いっ、痛いっ、痛いよー!
 痛みに弱い私。
 陣痛の波がピークに達する度に声を出すようになった。

 勉強したことを思い出す。

 全身の力を抜いて、痛みを受け入れる。
 息を細く長く「ふーっ」と吐く。
 息は吐ききる。

 ・・・

 できるかーっ!!

 ・・・できなかった。
 それでも途中までは頑張ったのよ。
 Dさんの服にしがみつき、声を殺して必死でふーって息を吐いた。

 次第に、受け入れられる許容を超えた。
 痛みのピークが来るたびにそれは恐怖となって、私を狂わせた。
 陣痛はすでに1分間隔くらいだった。
 1分おきにその恐怖は来る。

 破水。
 破水をすると痛みはさらに増した。

 「いやーっ!」
 「痛いっ痛い―っ」
 「どうすればいいの!?」
 「あーーっ、っいああぁああーー!」
 
 叫ばずにいられなかった。
 そのたびに助産師さんが私に注意をする。
 「息を吐くことに集中して、息を吐ききって。体の力をぬいて。腰はそらせない、体を丸くして。そうやって力を入れると、赤ちゃんが苦しいのよ?」
 何度も言われた。
 でも、できなかった。

 「息を吐いて、ふーっ、ふーっ、できとるよ、できとるよ!」
 陣痛が激痛に変わってから分娩室に移動するまで、何時間も同じ姿勢で私の背中をさすりながらDさんが呼吸を誘導し、励ましてくれる。
 
 「はああああ、ふうううううううう!ふううううううううっ!」」
 それに応えようとはするけれど、やっぱりピーク時の痛みを受け入れられず叫ぶ私。

 そんなDさんに申し訳なくて、申し訳なくて、同室にいた人たちに対して恥ずかしくて恥ずかしくて、すごい情けない気持ちだった。

 「冴子さん、分娩室に移ってみましょうか?」
 助産師さんが言った。
 「・・・歩けない。」
 そう言うと、助産師さんが首を振った。
 「皆さん、歩くんです。」
 痛みのピークがおさまり、次のピークが来るまでのわずかな時間に、歩いて隣の分娩室に移動した。

 移ってから数回のピークをむかえた後、Drが来た。
 そして助産師さんが言った。
 「次がきたら、息を吐きながらいきんでみて」
 言われている意味を理解しきれなかったけど、お通じするときみたいに力を入れればいいんだよね?と思い、次の波が来た時、やってみた。

 当然そんな簡単に赤ちゃんは出てこない。
 波が来るたびにいきんだ。
 何度もいきんだ。
 汚いけど、その途中お通じも出たと思う。

 そんなことをしているうちに、スタッフの数が増えてあわただしくなってきた。
 出産が近いのだと思った。
 (もうすぐだ、もうすぐだ、苦しいよ、つらいよ、カズナ、早く出てきて、早く出てこい!!)
 「髪の毛が見えてるよ」
 助産師さんが言った。
 じゃあもう少しね?もう少しね?
 
 それから数回いきみを繰り返した後、助産師さんが言った。
 「次で出てくるかな。」
 本当?

 でも、次では出てこなかった。
 次の次の次くらいになった。

 「産まれたよ!」

  

 へっ?
 次の瞬間、「おぎゃー、おぎゃー」と元気な産声が聞こえた。
 見ると、メガネをはずしてぼやけた私の視界に、カズナがいた。
 出てきた感覚はなかった。
 
 (サルだ・・・。)

 それから、産まれたての赤ちゃんって、もっとどろどろして汚いんだろうなって思ってたけど、無臭だし全然きれいだって思った。

 愛おしいとか、感動したとかはなかった。
 正直、やっと痛みの元凶が出た、そう思った。

 そんな私へ罰が下った。
 卵膜(赤ちゃんや羊水を包んでいた膜)が全部出きらなかったと言い、直後器具を使い、Drが私のお腹の中をさぐり始めたのだ。
 また激痛が走る。
 「いやっ、痛い!!」
 再び叫ぶ私。

 一連の処置が終わり、ぐったりした私のもとにカズナが連れてこられた。
 手をのばしてカズナの手に触れると、カズナはギュッと私の指を握った(そういう反射行動ってだけなんだけどね)。
 
 お前、無事に産まれてきたんだねぇ。
 やっとほっとすることができた。
 
 その後、初乳を吸わせてください、と助産師さんに頼むと、助産師さんはカズナを私の上に乗せ、初乳を吸わせてくれた。



 そうして
 
 12月13日、午後4時29分
 3190gの男児を出産しました。
 出血量が1000ml近くありましたが、点滴の量を増やされただけで、輸血まではされませんでした。
 

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