冴子さんは、新居に引っ越してからというもの、新たに眼鏡を新調し、眼鏡っ子となっている。
ドライアイでコンタクトがキツくなってきたのがきっかけである。
ある日、出勤すると師長が私を見て言った。
「あら、その眼鏡、似合うじゃない。優しい感じがする。」
「ありがとうございます。」
部下への社交辞令は忘れない師長、さぞ普段の気苦労は多い事だろう。
だが、話はそこで終わらなかった。
「あなたの眼鏡の感じ、パチンコの冬のソナタに出てくるヨン様に似てるわ。是非パチンコに行ってらっしゃい。」
・・・はい?
うちの師長はパチンコ大好き。
こないだなんか、パチンコでDVDプレイヤーをゲットし、それを病棟に寄付なんかしてくれていた。
土日など、師長がお休みの日に、何らかの業務連絡をしなければならない時がある。
そんな時、パチンコ中で、しかも負けていようもんならえれーとばっちりがきたりする。
つい最近も眼鏡っ子の私を見て同じ事を言ってきた。
「ヨン様に感じが似ている。」
師長の言うこと、別に気にもとめず聞き流したんだけど、今日、一緒に夜勤をやった同僚にも言われたのだよ。
「ヨン様に似てる。」
・・・マジ?
複数の人に言われちゃ、そりゃ気にしちゃうでしょ。
おうちに帰ってさっそくその事をDさんに話してみた。
「・・・。」
Dさんは冷たい視線を投げかけるだけだった。
「全然似てません。」
あ、そう・・・。
ちぇ、せっかくちょっとうかれてたのにさ(ヨン様に特に興味は無いです)。
私には気品も優しい感じもねーとよ。
ふんだ
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